年末調整って何のため?配偶者の控除に関するルール変更も

「税の話は難しい!」と耳を塞ぎたくなるけれど、なんとなくでも理解しておくことがストレス軽減にもつながります。

こんにちは。
メンタルオーガナイザー®/ファイナンシャルプランナーの長谷部敦子です。

会社にお勤めのご家庭では、年末調整の手続きを済まされましたか?
わからないことをわからないまましないといけないのは、結構疲れますよね。

今回は、そんなわからないを少しでも解消してもらうべく、「年末調整」についてお伝えします!

そもそも年末調整ってなんのため?

お給料をもらっている人の「所得」をハッキリさせて、納める所得税の額を決定するための仕組みを「年末調整」といいます。

「所得」をハッキリさせるには、そのご家庭それぞれの「事情」を加味する必要があります。
その家庭の事情を会社が把握するために、給与所得者は会社に対して「わが家の事情」を申告書類に書いて提出するわけです。

この手続きをすることで、給与所得者が自分で確定申告をする必要はなくなります。

ただし、
・給与の収入金額が2,000万円を超える人
・給与を2か所以上から受けている人
・給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円を超える人
などは、確定申告が必要です。

また、
・医療費控除
・ふるさと納税などの寄付金控除
・1年目の住宅ローン控除
など年末調整では処理できないものがあるので、注意が必要です。その場合は、自分で確定申告をしましょう。

 

年末調整ってそんなに大事なの?

そもそも所得税ってどうやって計算するのか?
それがわかると、「わが家の事情」がどう影響するのかもわかりやすくなります。

ここでは、ざっくりと「こんな感じなのねー」くらいでOKです。

払う所得税は実線赤枠のところ。
「わが家の事情」にあたるところは、点線赤枠のところです。

細かい説明は割愛するとして、点線赤枠のところが増えれば増えるほど、実線赤枠が少なくなることはイメージできるでしょうか。
だから、「わが家の事情」はしっかり、正しく会社に伝えた方がいい。
年末調整大事!!というわけです。

 

所得控除は全部で14種類

1つめの点線赤枠である「所得控除」は全部で14種類あります。

■物的控除(その年の支出に対して加味されるもの)
・雑損控除
・医療費控除
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・寄附金控除
■人的控除(納税者本人や扶養家族の事情に対して加味されるもの)
・障害者控除
・寡婦(寡夫)控除
・勤労学生控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・基礎控除

基礎控除は誰もが対象となるものです。
その他のものについて、わが家はどの事情に当てはまるかをお知らせしなくてはいけません。
太字のものは年末調整で会社にお知らせすればOK。
太字でないものは、年末調整ではなく確定申告で直接お知らせしなければいけいないものです。

 

もう1つの点線赤枠である税額控除は、2年目以降の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)のみが年末調整でお知らせすればOKなものとなります。

 

今年から制度が変わった!配偶者控除・配偶者特別控除って?

今年はこれまでと比べて、「用紙がなんか違うぞ?」と気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。
会社から特別にお知らせが同封されてた、なんて方もいるのかな。

2018年、今年から「配偶者控除」「配偶者特別控除」に関するルールが変わりました。

これまで、妻の年収が103万円(所得38万円)以下なら、夫は「配偶者控除」として38万円の所得控除を受けることができました。妻の年収が103万円を超えると夫が受ける控除は、「配偶者控除」から「配偶者特別控除」になり、控除額は妻の年収が141万円(所得76万円)以上になるまで段階的に減っていました。
いわゆる、“103万円の壁”と呼ばれていたものです。

大きなルール変更としては、2つ。

1.「配偶者特別控除」が拡大された

妻の年収が103万円(所得38万円)超150万円(所得85万円)以下なら、夫は「配偶者特別控除」として38万円の所得控除が受けられる。つまり、名前は変わるけれど、「配偶者控除」と控除額は同じ!(老人控除対象配偶者を除く)
年収150万円(所得85万円)を超えても、妻の年収が201万6千円(所得123万円)まで「配偶者特別控除」が適用されるので、これまでと同様、段階的に控除額が減っていきます。

2.給与所得者の所得によって控除額が変わる

夫の年収が
・1,120万円(所得900万円)以下
・1,170万円(所得950万円)以下
・1,220万円(所得1,000万円)以下
それぞれで、控除額が異なります。

これまでは妻の年収だけで控除額が決まっていたものが、夫の年収という新しい要素が加わことになります。
また、夫の年収が1,220万円(所得1,000万円)を超えると「配偶者特別控除」が受けられないので、妻の収入の有無は夫の税金には影響しなくなります。

※仮に、給与所得者(納税者)を夫、配偶者を妻としています。

細かい控除額など、ルールの詳細を知りたい方はこちらをご確認ください。
国税庁:配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて

自分らしく暮らすためにルールを知る

ここまで、読んでくださった方はどれくらいいるのでしょうか(不安)

「お金のはなし」って、どうしても難しく感じがちですが、少しだけ頑張って理解すれば、他のことも芋づる式に理解が深まっておもしろくなる一面もあります。
なんて言ってる私も得意ではないけど^^;

とはいえ、「お金のはなし」は暮らしに直結していることばかり!
私たちの暮らしを成り立たせているルールを知ることが、自分らしい暮らしを選び取ることにつながるのなら、少しだけ頑張ってみる価値もあるのかもしれません。

詳しくなんて知らなくてもいい。
でも、ちょっとだけ興味を持ってみる。
そこから一緒にはじめてみませんか?

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